それ違反です、米国関税に絡むミニマムアクセスの枠内での米国産コメの輸入枠拡大
- sumioyamashita2847
- 7月24日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前
昨日(2025年7月23日)、アメリカとの関税交渉が15%で決着したとのニュースが流れました。
その条件の一つに米のお米のアメリカからの輸入をミニマムアクセスの範囲で増やすというものがありました。

お米を扱う業者のインタビューで『ミニマムアクセスの範囲内でやってもらう分には特に問題はないかな』という声が聞かれました。
そこには問題なくても、国家としては大きな問題があります。
ミニマムアクセスとは、国際的な貿易自由化の流れを受けて、1986年から1993年にかけて行われたウルグアイ・ラウンド交渉で、すべての品目を基本的に関税化する、つまり非関税障壁をなくし貿易の自由化をしなければならなくなりました。
ただし、日本はお米が主食であり、輸入の自由化は農政や地方経済への影響が大きいということで「関税化の例外措置」を選び、引き続きお米の輸入自由化には歯止めをかけました。
その代わりに「ミニマムアクセス」として非課税の最低輸入枠を拡大することとなり、段階的に増やし、現在の77万トン/年(玄米で)という数字になっています。
しかし、このミニマムアクセスの枠内での輸入には、最恵国待遇が適用されます。 これは現在の貿易に関する国際機関であるWTO(World Trade Organization)に加盟する国が他の加盟国に対して、ある国に与える最も有利な待遇を、他のすべての加盟国にも与えなければならないという原則のことです。
つまり、ミニマムアクセスを通じて輸入される農産物に対して、特定の国を優遇することはできません。ですから日本がアメリカからのコメ輸入を増やす場合、ミニマムアクセス枠内でアメリカを優遇することは、WTO協定の最恵国待遇に違反する可能性があります。
今回の報道では、日米関税交渉で、日本がミニマムアクセス枠内でアメリカに対するコメ輸入割合を拡大するとしたことが、WTO協定違反の可能性として指摘されています。
要するにアメリカと日本が一緒になってWTOという国際機関の決まりを破ったことになります。
トランプ政権は他にもWHOやユネスコからも脱退を表明するなど、国際機関のぶち壊しにやり、とても世界の大国とは思えない、品位を欠くわがままな振る舞いをしています。
そこに日本も加担したことになり、何とも残念です。
25%の関税など認めるわけにもいきませんが、世界各国が手を携えて対抗すべきです。
さらに昨日、農政を所管する小泉進次郎農林水産大臣がは『赤沢大臣筆頭に、米がさらに入ってくることを食い止めていただいた、農業者に安心してもらえる結果だ』と語りました。
国内だけ見ればそうですが、WTO加盟国の農政を預かる大臣としてほかに言うことはないのかと思います。
アメリカファーストの結果が国際秩序も無視であり、それに引きずられて日本も国際協約を違反して大臣もそのことを何とも思っていない・・・なんとも情けない時代になったものです。
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