EV連合とGDPと選択議定書
- sumioyamashita2847
- 2024年8月2日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年8月13日
今日2024年8月2日の朝日新聞神奈川第13版7面に『ホンダ・日産 米中EVに危機感』の見出しが躍る。小見出しには『三菱自も合流 国内二極化』の文字が。
本文の記事には『追いかける日本勢にはソフトウエアの開発だけで数千億という、巨額の投資の連続が待ち構える』とある。
なぜ世界の技術の先端をいっていたはずの日本が、先進国のテールエンダーまで下がったのか?
端的に言えば、利権で甘い汁を吸うもの(政治家)が牛耳ったからだ。
利権は現状の枠組みが壊れると旨味がない。
だから利権に群がるやつらは現状を堅持したい。
そこにイノベーションは起こらない。
そしてそんな政治家に献金してきたのもそれらの企業だ。
ホンダ・日産・三菱はEVに注力するために手を組んだ。
それはそうした企業が現状の先進国+αをこの先も主たる市場ととらえていることに他ならない。
現状のマーケットがいつまでも主たる市場で在りうるのか、わからない。
それらの国は人口減少が必須の流れで、市場として広がりは限定的に思える。
これから経済が伸びるアフリカをはじめとした国々はまだ国の隅々まで送電網が届いていない。電気は送れるが、運べないのだ。
だからこそ、スズキやマツダは未だに内燃機関の可能性を追及している。
同じ新聞の1面トップは『持たざる国 逆戻りの日本』だ。
記事はGDPから始まる。日本のGDPは1920年に3.4%、90年には8.6%とほぼ倍増した。
しかし、2020年には3.7%となり、米ゴールドマンサックスの予測では2075年に12位まで落ちるとある。
「24時間戦えますか」といいながらサラリーマンが働いたことが今の価値観では必ずしも是とされず、ややもすればBLACKのレッテルが貼られかねない。
しかし、あの頃あった夢や希望もしぼんでしまった。
にもかかわらず、防衛費は中身を決める前にGDPの2%と枠が決まる。
米国の国防大のテキストには「外交・情報・軍事・経済」頭文字をとった「DIME」という言葉があり、このDIMEが安全保障の構成要素とされているとも朝日は報じる。
GDP2%の防衛費をつけても外交とその背景となる経済がなければ安全保障は片手落ちだ。情報に関しても、「特定秘密保護法」というバカな法律を作るくらい管理できない。
特定秘密を保護するといった時点で、秘密があることは肯定している。本来は秘密なんかないからそんな法律要りません、というのが正しい秘密の守り方なのに…。
アメリカの国際政治学者で、大戦略、軍事史、国際関係論を専門とするエドワード・ルトワックは、少子化こそが日本の最大の危機と唱える。
今、パリ五輪の日本人選手の成績に一喜一憂されている方も多かろうが、このまま少子化が進めば、選手を送ることもできなくなる。
今やこの神奈川県でさえ、高校の野球部が近隣の学校と共同チームを組まないと、甲子園の県予選にさえ出られない状況だ。
オリンピックはべつとしてもドライバーの2024年問題や、飲食業の人手不足も少子化に起因する。
GDP2%の国防費の前に、GDP5%くらいの少子化対策、それも婚姻率アップの前提となる若年層の経済的不安の解消を主とした政策が必要だ。
ただ、日本人が就かなくなった職業には、海外からの移民で対応するのが、短期的な最適解だろう。
しかし名古屋出入国管理局で起きたウィシュマさん死亡事件のようなことが起きれば、ただでさえ円安で賃金の安くなった日本で働く外国人が激減することは自明の理だ。
だからこそ私は、女性差別撤廃条約の「選択議定書」の批准を求める意見書を国に提出することを求める活動をされている方からの陳情を取り上げるよう、議会運営委員長あてに意見書を送ったのだ。 選択議定書が採択されれば個人通報制度が適用され、例えばウィシュマさん死亡事件の細部を隠そうとする権力に対して、国際社会から何らかの力を加えられる。
経済も人権も、人口問題も国家安全保障も別々の課題ではない。
多くの事象は複雑に絡み合っている。
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